宮 城 野 城



記 録 概念図 写 真



第1回 現地踏査記録


日時        2004年9月11日
コース       富士市(自宅)5:35 → R1 → 沼津 → 三島 → 山中城址 → 箱根峠 →
           元箱根 → 宮の下(宮の下町営駐車場)7:00 → 宮城野 → 碓氷橋7:40 → 
           明神平別荘地 → 足柄幹線林道 → 宮城野城址8:23 → 碓氷峠 → 
           (矢落沢橋 → 碓氷峠 → 建設中宮城野林道 → 陣場久保 → 碓氷峠)
            9:10 〜 10:00
           鉄塔下の尾根取付 → ツガ尾直下往復10:45 → 矢落沢橋 → 
           春山荘別荘地 → 俵石バス停11:35
地図        1/25000地形図(箱根・関本)   現地住宅地図(ゼンリン)
踏査地点     宮城野城址   中央郭   北郭   南郭
           宮城野陣場


行動記録     今回の踏査予定は宮城野陣場の遺構を確認することにあったが、資料的には
           かなり古いものであるため、ルートが不明で現地において探すほかはなかった。
           早朝自宅を出て国道1号を箱根に入る。箱根町を過ぎ元箱根から小湧谷方面
           宮の下に出る。
           富士屋ホテル先に箱根町営駐車場がありここを出発点とした。7:10バスで宮城野
           まで行くつもりであったが、早川と向い側の明星ヶ岳の稜線を眺めながらブラブラと
           宮城野まで歩いてしまった。
           7:40宮城野着。国道138号の新碓氷橋の横にある碓氷橋を渡り、明神平サニー
           パーク別荘地と書かれた看板を左折して坂を登っていく。
           7:52明神平別荘地に入りマンション前の五叉路に小さな道標があり、碓氷梅園の
           方に向かう。舗装された約3m幅の足柄幹線林道である。
           緩やかに10分程登ると火打沢に架かる小暮橋を渡る。火打沢の右岸を尾根を巻く
           ように伸びた林道を行く。対岸の上の方には明神ヶ岳から明星ヶ岳への稜線が
           見えている。
           8:23碓氷梅園に着く。張り出した尾根を回り込んだ所に道標と送水管の防護金網が
           見え、その脇に大きな碓氷梅園の石碑が建っている。勿論この9月という時期に
           梅は咲いていないが、梅の木が整然と植えられていて、見ごろには再度訪れたい
           思いがした。
           この梅園が南の方に伸びた尾根上にあり、宮城野に通じている送水管を挟んで
           宮城野城の遺構がある。おそらく築城期は北条以前であると思われるが、林道敷設
           のため北側部分に全くその姿がない。送水管防護の金網の脇を入っていくと小高く
           なった所に日本武尊の碑がある。ここが郭の中央部であろうが周囲はほとんど薮化
           していて、かろうじて中央郭の大きさがわかる程度。史料からは中央郭南端の堀切
           と南郭が続き、林道となってしまった北郭を合わせて三連郭のようであるが、どうも
           はっきりとしない。
           小田原攻めの時期に使用していたのか、史料的には「ツガ尾」と呼ばれているここ
           から見上げた尾根上の所に陣場を構えたのか。
           8:50城址から「ツガ尾」を確かめるべく出発する。火打石岳から南に下る尾根が
           二又に分かれ、一方は梅園のある宮城野城址から宮城野の町に落ちていて、もう
           一方の西側に落ちている尾根の張り出しに取付点を探すことにする。
           地形図上「碓氷峠」と記されたところを過ぎ、尾根の張り出しを回り込むと新しい林道
           の工事現場に出合う。ここからしばらく取付点を探しながら行くとすぐ矢落沢まで来て
           しまった。9:10少し引き返してなんとか桧の林の中に分け入って登っていくと、先程の
           工事中の林道に出てしまう。道の向い側の幹に白いテープを巻きつけてあるのが
           見えて、ここから入るのだろうか。この桧の樹林の中、下はササや茨の薮を漕いで
           行かなければならないのだろうか。
           9:40小休止して違う取付点を探すことにする。しばらく建設中の林道を登っていくと
           矢落沢上部に出る。足柄幹線林道の上に並行して矢落沢を渡り北西に伸びている。
           沢の上部から尾根筋を見上げると、地形図上841m地点の南西下、やや平坦な
           部分があり、史料にある陣場久保という所だろうか。
           ここからは尾根上に上がれず引き返す。林道を下っていくと正面には大涌谷の噴煙
           が見えている。
           10:05建設中の林道の起点であり足柄幹線林道との出合の上に送電線が通って
           いる。ふと鉄塔の下を見ると小さな階段があり、張り出した尾根の上に踏み跡が
           続いている。桧の伐採された中に所々白いテープが巻いてありルートかと思わせる。
           鉄塔が標高680m地点だから想定している「ツガ尾」841mピークまで約160mの
           登りである。踏み跡は伐採され横たわった桧の中に続いていて「ツガ尾」の陣場跡
           まで行けそうな気がしてきた。しかしながら横たわった桧の幹を越えて急な斜面を
           登っていくのは意外にきついものである。
           10:25桧の枝打ち個所は終わり薮に突入する。取付いてから急登を越えおそらく
           100mは来たであろう。ここでハコネタケの壁に突き当たる。びっしりとまるで壁の
           ように前方に立ちはだかって入山を拒んでいるようだ。
           10:30距離・高度から見て「ツガ尾」と呼ばれる841mピークを中心とした陣場跡
           の直下であろうが、どうしても突破できず断念することにした。
           地形的に見ても火打石岳から南下して南東側に降りる尾根の東は火打沢が切れ
           込み、841mピークを境に南西側は矢落沢が下っている。この尾根上の平坦部に
           陣場跡があって当然のような気がして、また史料の上からも宮城野から城址を
           通り、841mピークまで南東側の尾根を登り火打石岳の鞍部である苅川峠に
           行く古道があったことから、推定ではあるが徳川先鋒隊が攻撃した宮城野地点で
           あろう。
           元の鉄塔下まで降り足柄幹線林道を仙石原に向かう。矢落沢橋を渡り対岸上に
           取付いた尾根筋を見ながら下っていく。春山荘別荘地を抜け俵石バス停に降りる。
                                            行動時間  約4時間25分


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