身延道(興津筋)宍原〜万沢



日時・行程
          2014年12月3日
          宍原宿 〜 六地蔵 〜 長峰入口 〜 桜峠 〜 長峰峠(県道192号横断) 〜
          古住田への分岐 〜 鞍打場 〜 林道出合 〜 境川 〜 国道52号合流 〜
          万沢隧道迂回 〜 県道10号合流 〜 万沢口留番所跡 〜 万沢宿


地図

国土地理院 地形図 (静岡市清水区 〜 山梨県南巨摩郡南部町)



宍原宿 津島神社 鹿田神社 庚申塔


前半の車を置いた位置がやや遠かったので、興津駅前の有料駐車場に置くことにした。興津駅前発
6:58バスで但沼車庫行7:25乗り換えで宍原車庫行、7:45宍原車庫着で宍原宿まで少し戻る。
8:00宍原宿を出発する。津島神社を過ぎ宍原車庫バス停の北側に鹿田神社がある。鳥居脇に立つ
庚申塔を見ると元禄4年(1691)設立、下の方に三猿のレリーフが付いていた。



西国三十三観音堂跡 六地蔵 観音像と六地蔵 六地蔵と廻国行脚供養碑


鹿田神社のすぐ北側には観音堂跡があり、左手の細い道を登ると六地蔵の立っているのが見えてくる。
元々長峰三里の入口であったのだろうか、現在の入口はもう少し北側からだが。六地蔵は3基並んだ
石塔の内右側の2基。地蔵3体ずつ2基に分かれて彫られているのは大変珍しい。その左は廻国行脚
供養塔。地元宍原の倫山道樹(福聚院)が3年間廻国行脚した記念碑だそうだ。離れて右の方に立つ
のは観音像だが磨滅が激しい。



国道52号から左に入る 長峰三里入口 身延道案内板 長峰三里説明板


六地蔵から元の宍原宿からの身延道に降りて、国道52号に合流する。合流した地点の左手を見ると
長峰三里の入口が見えている。ここから先、かなりの数「身延道」という白い案内板に救われる。地元
小島まちづくり推進委員会の方の努力によって、分かりにくい山道も案内板を辿っていくと心配はない。
いよいよここから山道。かつては宍原から万沢まで人家もない水もない山道であったようだ。



茶畑の上から山道に入る 案内板に従って 林道に出る 林道を数分歩く


入口から一登りすると茶畑になり、その上から山道に入る。初めは道もはっきり見えていないが、少し
上ると林道に飛び出す。案内板が立っているのでそれに従って林道を数分歩く。



林道から右下に入る 斜面をトラバース 馬頭観音像 桜峠手前


林道はそのまま上に伸びているが、右下に降りる案内を見つけ斜面をトラバースしていく。しばらく
斜面をカットしたような細い踏み跡を行くと平らな場所に出る。左下に小さな3基の石塔群。左右の
石塔は像も文字もないようだが、中の1基は馬頭観音像で享和2年(1802)の文字が読める。道は
やや左にカーブしてそこに案内表示。位置的には桜峠に出る手前あたりであろう。



倒木帯 一度林道まで戻る もう一度倒木帯まで 案内板を見つける


その先は倒木帯であった。ここのところ駿甲境の山域は荒れていて、本当に倒木が多い。ちょうど
道と思える踏み跡の上に何本かの杉の木が横倒しになっていて、越えることもくぐることもできず
やむを得ず右側の樹林帯とヤブの中を迂回する。しかし元の道(踏み跡)に戻ったと思ったところが、
ススキの群生地で足元を取られながら突破しようとするも方向を見失う。しかたなく逆方向に突破して
一度林道まで戻り、再度倒木帯まで来た。今度は1本の倒木の上に乗って方向を確認する。すると
身延道(長峰三里)の案内板が見えて、ヤブを突破してその方向に向かう。



桜峠 後山方面 案内板に従って 長峰峠


一番ひどい場所を過ぎると案内板と茶色の道標が見えた。桜峠である。左に道がついていて後山地区
に向かうところだ。ここは案内板の矢印通りに右側に進路をとる。5分の休憩の後9:26出発。ここからも
白い案内板に従って上り下りして降りた所が長峰峠であった。9:38。県道192号が国道の宍原の先から
分かれて峠を通り古住田から県境方面に谷筋を通っている。今回の非常時のエスケープルートだ。



県道を横断階段を上がる 急斜面を横切る 稜線上に出る 樹間に富士山を見る


倒木地帯で20分ロスしたが、体調もいいのでそのまま尾根筋を通っていく。県道を横切り階段を登る。
階段の上は急斜面で固定ロープが張ってあった。ロープにつかまって上がると今度は急斜面の
トラバース。狭いけれど道はしっかりとわかるので安心だ。この先で稜線上に出る。地形図上で
標高を見ると宍原宿で約200m、長峰峠で345m、この稜線に出て375mである。稜線上で雪を被った
富士山が見え一息つく。



古住田への分岐 鞍打場 鞍打場の説明板 題目塔


ここから先はとにかく痩せた尾根の上、外さないように辿らなければならない。稜線に出た所から10分
で古住田地区への分岐がある。しばきり会の道標が立つY字路を左が古住田、ここは右に向かう。
分岐から6分で鞍打場に到着。10:11、10:20まで休憩をとる。天正10年(1582)織田・徳川軍が武田
攻めにここを通って白鳥山から身延道を甲府まで攻め上がった時に軍の隊列を整えた場所だという。
そう広くはないが尾根上で平らにカットしたような場所。標高は長峰三里で1番高く390m。ここには
文久4年(1864)の大きな題目塔が建てられている。



白ペンキを辿って下る この先案内板はない 尾根をはずさずに 狭い尾根を下る


鞍打場を過ぎると、もう後は下りである。両側が落ちた痩せ尾根の上に所々白ペンキが目立つように
なる。ここまで長い間助けてくれた身延道の白い案内板はこの先にはない。代わりにひたすら尾根の
上をはずさずに白いペンキと赤いテープの目印を追いかけて下っていく。途中で右手に林道が並行
して見えるが、先がわからないのでとにかく尾根上を降りることにする。



尾根の最後の部分 林道を降りる 県道192号に出る 県道を県境へ


11:00いよいよ下ってきて尾根も最後の頃になってくる。目の前に林道が横切り尾根を分断。ここで
コンクリート舗装された林道に出る。あとはゆっくりと下っていくと下に県道192号が見えてきた。
長峰峠から古住田を通ってここに出てくるのだ。県道に降り立って北方向に向かう。



境川を渡る 県境 境川対岸の石塔群 国道52号万沢隧道


11:12境川を渡り県境、山梨県に入る。岩淵筋で見た4基の石塔群。馬頭観音と1番大きな題目塔は
元禄4年(1691)谷口法悦により建てられたもの。さて、ここから国道52号に出て岩淵筋に合流する。
国道をしばらく登り万沢隧道に。トンネルの右脇を登って反対側に行く。



隧道下をくぐる 旧道から県道10号に出る 万沢宿 万沢口留番所跡


トンネルの出口は国道の下をくぐるのが旧道で、樹林帯の中の道を歩いていくと県道10号に合流する。
ここから岩淵筋で身延道が下に降りて山裾を通り、万沢の丸石道祖神をみて万沢橋に出るのが本当
だが、一度通っているのでここはそのまま県道を行き万沢橋まで。橋を渡り万沢宿に入る。興津筋は
万沢宿で岩淵筋に合流するのでここまでとして、富士川を渡りJR身延線の十島駅から興津まで戻る。
万沢宿着12:15。宍原宿を出て4時間15分 地形図上で11.8km。興津宿の里程道標で宍原から
長峰三里、万沢宿まで三里であった通り、km換算してもちょうどの数字となった。



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