掛塚まつり



撮影日   2016,  10,  16


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1 神社
          神社名     貴船神社
          所在地     静岡県磐田市掛塚926−1
          創建       不詳(室町時代以前)
          社格       旧郷社
          祭神       高?神(タカオカミノカミ)
          由緒       創建年代は不詳だが室町時代以前だと伝えられる。天正4年(1576)に
                    再建された社殿は明治16年(1883)の火災で焼失、その後本殿は
                    明治20年(1887)に拝殿と幣殿は明治30年(1897)に再建された。
                    社領としては慶安元年(1648)に徳川家光より朱印地8石の寄進が
                    あった。明治6年(1873)郷社に列せられ、同40年神饌幣帛料供進社
                    に指定された。昭和35年(1960)県内神社等級6等級、昭和56年
                    (1981)県内神社等級5等級に指定される。



2 祭典日程
          10月第3土・日曜日 (訪問日 2016, 10, 16)
          【宵祭】6:00大祭合図(花火) 7:20浜垢離
              16:30屋台集合開始 18:00宵祭祭典(屋台集合・浦安の舞奉納) 21:30奉遷祭
          【大祭】6:00大祭合図(花火) 9:00屋台集合開始 10:20屋台全部集合
              10:30大祭祭典(浦安の舞奉納) 11:55神輿渡御 13:15御仮宮祭           
              15:40還輿祭 19:20手打式 21:30奉遷祭



3 山車・屋台 詳細      →  詳細ページへ
          本町(ほ組)      大唐破風造舞台屋台          
          砂町(す組)      大唐破風造舞台屋台 
          中町(な組)      大唐破風造舞台屋台 
          横町(よ組)      大唐破風造舞台屋台 
          田町(田組)      大唐破風造舞台屋台 
          大当町(大組)     大唐破風造舞台屋台 
          新町(志組)      大唐破風造舞台屋台 
          蟹町(可組)      大唐破風造舞台屋台 
          東町(ひ組)      大唐破風造舞台屋台 



4 所感     遠州掛塚は天竜川の材木集散の港町として江戸時代には大いに栄えた。貴船神社の
          祭礼の起源も江戸時代の宝永4年(1707)という神輿部材から、それ以前から神輿の
          渡御(巡行)が行われていたことがわかる。その他に祭礼の起源を記す資料は見当た
          らないようだ。
          「一度見ぬも馬鹿 二度見るも馬鹿」といわれている掛塚の屋台は以前から掛塚を
          見なければ「山車・屋台」は語れないように思っていたが、なかなか見学に行く都合が
          つかずに何年も経っていた。やっと10月の予定を排して行くことができた。
          「掛塚まつり」についての紹介や資料は詳細にわたって記載されている。『竜洋町史』
          民俗編をはじめ掛塚まつり冊子編さん委員会編集の『掛塚まつり』という資料が大変よく
          調査されており参考になる。また、掛塚まつり本部編の『掛塚まつり』という小冊子が
          祭典本部で当日ガイドブックとして200円にて販売されていてA5版30頁のこの
          ガイドブックが大変に優れもので、これ1冊だけでも十分に「掛塚まつり」の詳細が
          理解できるものである。
          さて、大祭当日は車で国道1号線を走り自宅(富士)から天竜川河口の掛塚まで
          2時間ちょっとで到着した。駐車場は天竜川の左岸堤防の内側河川敷に用意されて
          いる。その駐車場から堤防の内側が貴船神社であった。
          9時から9台の屋台が次々に町内巡行から貴船神社に集合してくる。8:30に駐車場に
          到着してすぐに神社境内に入り社殿・境内・神輿等を撮影する。やがて10時過ぎに
          全屋台が神社境内に集結する。そして10:30拝殿内にて神事が始まる。
          12:00神輿の渡御が始まり神幸行列がお仮屋に向かって進んでいく。その最後尾に
          屋台が供奉して行く。
          帰り時間の関係上、お仮屋まで行列について行かずに神社前で見送ったが、屋台の
          撮影に目的を置いていたので、それには十分な時間が取れた。
          大唐破風造舞台屋台。江戸型とは違い正確なサイズはわからないが一回り大きい
          ような気がする。正面から左右側面にかけて天幕(刺繍幕)で覆われ、囃子方の姿は
          正面からは見えない。その天幕も古くは伝・安政年間のものもあり、明治から大正
          年間のものと結構古いが保存もきっちりとされていて美しく年代を感じさせない。
          掛塚屋台のポイントは何と言っても彫刻であろう。作者は江戸彫工の後藤流から
          諏訪立川流、そして地元遠州の大工・彫刻師と多彩であって、ここ遠州地域が
          彫刻においても東西山車文化の交流、接点になっているのがわかる。
          神幸行列と屋台9台を送り出すまで短い時間の見学ではあったが、十分にその屋台の
          華麗さと掛塚囃子を堪能できた時間であった。



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